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「泣く」っていう行為は、それ自体「感動した」という事をもっとも分かりやすく、はっきりと示すことのできる行為だと思う。だからこそ、物語を作る側の人は「泣かせよう」と思いがちだし、物語を見る側にあたる人も、「泣ける」作品だという事実をひとつの尺度として見て、その作品を選び取ってしまうのだろう。

とか言いつつも、そう言ってる自分自身がいちばんその罠にはまっている、というのは否定できなくて、その結果、ある種「あざとい」演出になってしまうわけで、そのあたりは、もう、なんというか葛藤なのです。どうしようもないのです。