SSを書くに当たって、例えば、ぼくが「フォーサイドの市街」だとか「サマーズのビーチ」だとか、あるいは「リュカ」だとか「クマトラ」だとか一言書けば、それだけで、ゲームをプレイしたことのある人なら、ゲーム画面を思い浮かべられるわけで、ある程度かんたんにイメージを持つことができるわけです。



だけど、そうなると、それだけ文中の描写なんてのはどんどん少なくなっていくし、そうすると、極端な話、残るのは「ここはどこどこです」という場面の紹介と、セリフのト書きくらいしかなくなってきます。でも、もしそうなれば、ただのセリフの箇条書きなんかよりも、そのセリフをしゃべっているキャラクターが、視覚描写を伴って、動いたりしていたほうが、……具体的には、たとえばマンガやアニメのほうが、閲覧者は当然面白いと思ってしまうわけです、当り前の話として。



そもそも、視覚的な要素っていうのは、こっちが適当に身構えていても、自然と目の中に入ってきますから、そういう受動的な行為というのは楽で、読み進めていきやすいですし、やっぱり閲覧者さんにとって「文字を読む」という能動的で積極的な動作というのは、やっていられないわけです。面倒くさいわけです。ぶっちゃけて言えば。



だからこそ、ぼくは、「マンガやアニメにはできない、小説にしかできない表現」みたいなのを目指して、マンガや映像なんかでいくらでも代用できるような表現なんかを、できる限りなくすようにして……、例えば、フォントサイズ8で「ズガアアアアン!!」とか、改行をたくさんして時間的な間を作ったりとか、背景に写真画像を持ってきたりとか、そういうのを、できる限りなくすようにして、あくまで小説の描写として、読者さんの頭の中に、目の裏にありありと浮かんでくるような描写をしていきたい、と思って……、ずっと、コンテンツ作りに取り組んできた、つもり、だったし、また文を読みやすいように、文字のサイズを大きくしたり、フォントの幅を広げたりして、それになにより、文字を追っていって楽しい!と、読者さんが思えるような、そういう小説を書いてみたい、と、ずっと理想を追い求めて、やっているわけですが、わけなのですが、やっぱり、結局、どこまで行っても文字は文字なわけで、やっぱり視覚イメージの圧倒的な力というものには敵わないわけで、やっぱり、その、きついっす……。挫折しつつ、やってます……orz